会長挨拶

会長 新年の挨拶

新年明けましておめでとうございます
皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が2020年1月に国内で初めて確認されてからアルファ株やデルタ株など次々と変異株が現れるなか、昨年5月から感染症法上の位置づけを2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類に移行して初めて迎える年末年始となります。年が明けて・・・
2024年(令和6年)の干支は辰(竜、龍)年です。十二支は紀元前の中国で、暦や時間を表すために使われ始めたのが起源とされていますが、他の干支は実在する動物なのに、なぜ竜(龍)だけが唯一の架空の動物なのでしょうか。明確な理由はわかっていないそうです。「本来干支の各文字に動物は関係なかったのに、あとから同音の動物を紐づけたせいで架空の動物が入ってしまった」という説や、「龍という文字に鰐(ワニ)の意味もあったので、そもそもは龍ではなくワニを指していた」とする説があるようです。
さて、その辰(竜、龍)から思い浮かぶのはタツノオトシゴ(竜の落とし子)。南極を除くすべての大陸の沿岸海域に生息し、世界中で46種が確認されており、トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属(学名:Hippocampus)に分類される魚の総称。魚には見えない外見と、オスが育児嚢で卵を保護する繁殖形態が知られた分類群です。
「オスが妊娠する」と言われていますが、厳密にはオスが妊娠するわけではなく、オスは出産するのみに留まります。オスは育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋のような特殊な器官があり、メスは育児嚢に卵を産み付けると、卵がふ化。オスは稚魚になるまで、この育児嚢で保護します。つまり、産卵はあくまでメスで、卵から稚魚まで守るのがオスの役割と言えます。遅まきながら、人間界(学名:Homo sapiens)の中でも、日本では、厚生労働省が男性の育児休業取得を推進するために、子の出生日から8週までの期間に取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が2022年10月1日から施行し、2025年までに男性の育児休業取得率を30%とする目標を掲げています。
約2500万年前のインド太平洋域で、最も近縁のヨウジウオから派生したタツノオトシゴは既に行っており、育児に関しては大先輩と言えるでしょう。
進化が進歩ではないことがわかります。
ですので、現状に満足せず、新しい取り組みとともに、既存の変えるべきところにも注視して進めてまいります。役員(理事)そして地区委員一同とともに考え、兵庫県細胞検査士会として新しい形の研修会やワークショップができるように臨みますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。今後とも会員の皆さまと共に歩んでいきたいと思っています。

令和 6 年( 2024年) 1 月吉日
兵庫県細胞検査士会 会長 鳥居良貴