新年の挨拶
新年明けましておめでとうございます
皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
令和7年(2025年)の干支は巳(蛇)年です。
そう言えば、医療の象徴であるギリシア神話に登場する名医アスクレピオスが持っていた杖には蛇が巻きついています。蛇は、脱皮を繰り返して生き延びることから「再生」や「治癒」を象徴し、アスクレピオスの治療力のシンボルとなったそうです。そのため、この杖は後に医療・医術の象徴としても広く用いられるようになり、1948年に設立した世界保健機関(World Health Organization:WHO)のマークに使われている杖も「アスクレピオスの杖」が由来です。
さて、解剖学的な話になりますが、、、
ご存知のように、人間にはあって蛇にはない骨は胸骨です。それは胸骨がないことで、大きな獲物を飲み込んだ時にも、肋骨を広げて対処しているからです。
また蛇の心臓は生活する場所により位置が違います。具体的には「水の中で生活するヘビ」、「木の上で生活するヘビ」、「草原(平地)で生活するヘビ」では心臓の位置が違います。
「水の中で生活するヘビ」は、水の浮力が頭に血液を送り出すのを助けてくれるので、しっぽから戻ってきた血液を簡単に頭まで送り出すことができます。そのため、あまり心臓ががんばる必要はないので、「水の中で生活するヘビ」の心臓は頭から三分の一ほどのところにあるそうです。
「木の上で生活するヘビ」は、頭を上にすることが多いので、心臓は重力にさからって血液を頭まで押し上げる必要があります。だから「木の上で生活するヘビ」の心臓は頭にとても近いところにあるそうです。
「草原(平地)で生活するヘビ」は、「水の中」と「木の上」の中間の環境になるので、心臓の位置は、「水の中で生活するヘビ」と「木の上で生活するヘビ」の中間のあたりにあるそうです。
蛇は毒をもっているので危険な生物と思っていますし、形態的にも苦手なイメージですが、違う視点で観察すると、地球で生まれた生物のからだは、常に重力との闘いの中で進化してきたと視野を拡げることができます。細胞を診るときも視点を変えると新たな発見があるかもしれません。
このように、巳(蛇)年は「新しい自分に生まれ変わる」ことがテーマになる年だといえると思います。2025年12月には兵庫県担当で近畿連合会学術集会が開催されます。兵庫県細胞検査士会として、現状に満足せず、新しい取り組みの学術集会、新しい形の研修会やワークショップを提供したいと考えております。役員(理事)そして地区委員が一丸となって臨みますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
今後とも会員の皆さまと共に歩んでいきたいと思っています。
令和 7 年(2025年) 1 月吉日
兵庫県細胞検査士会 会長 鳥居良貴
アスクレピオスの杖
世界保健機関(World Health Organization:WHO)