会長挨拶
平素より兵庫県細胞検査士会の活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
令和2年度(2020年度)より総会にて役員(幹事)として承認され、また会長を拝命しております。2024年・2025年度も務めさせていただくこととなり、3期目になります。
これは異例のことであると考えております。本来なら二期で任期を終え、次に引継いでいくこと、すなわち新陳代謝がなければなりません。それは生物学的に、種を存続するためには個体の入れ替わりが必須であり、個体の存続にとっても、細胞の入れ替わりが重要であるのと同様に、会を存続するためには、組織の中で適切な入れ替わりが必要であるということになります。細胞が入れ替わらず定着すればするほど、ヒトは老化していくように、人が定着し過ぎればしすぎるほど、会社や組織は老化していきます。「アポトーシス」という現象は積極的に引き起こされるプログラミングされた細胞死ですが、それは個体をより良い状態に保つために起こります。引続き会長を拝命することとなりますが、任期中にプログラミングするひとつである「次世代による当会の運営を担える後進の育成」を積極的に果たして繋げたいと思います。
さて、医学・医療分野の急速な進歩とともに、液状化検体細胞診(LBC)、セルブロック、がん遺伝子パネル検査、さらには子宮頸がん検診にHPV検査単独法の導入など細胞診領域でも大きな潮流がきております。この異次元の変化には目先の対応だけではなく、先見性を持った対応が求められます。そのため技師の資質向上や地位向上に向けて努力を重ねるとともに、次に掲げる項目を重点課題として取り組みます。
①将来を見据えた細胞検査士会の体制創り
②ⅠT技術を活用した事業
・有益な研修会や研究発表会などの学術活動および人材育成
・一般の方および会員に向けての情報発信
③近隣の細胞検査士会との情報交換による相互連携
④兵庫県臨床細胞学会、兵庫県臨床検査技師会、医療職団体などの他団体との交流推進と相互協力
兵庫県では若い有能な細胞検査士が育ちつつあります。将来の細胞検査土の姿を見据え、これからの細胞検査士会を創りながら、会員の皆様と共に歩んでいきたいと考えています。
2025年度には、第50回日本臨床細胞学会 近畿連合会が兵庫県担当で開催されます。役員(理事)および地区委員はもちろん、会員の皆様のご支援ご協力がなくしては成り立ちません。
『In bocca al lupo !』の精神で、精進してまいりますので、今後とも一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年(2024年)5月吉日
兵庫県細胞検査士会 会長 鳥居良貴