症例3解説
症例:60代・女性 臨床所見:健診 採取部位:子宮体部内膜ブラシ擦過 解答:④ 閉経後萎縮内膜
閉経を迎えた内膜は萎縮し、内膜組織自体が菲薄化していきます。 腺上皮も萎縮し、小型となったり、逆に嚢胞状拡張を示す事があります。 間質細胞の胞体も乏しくなるので、一見細胞密度が増し、子宮内膜増殖症と誤認される事があります。背景にライトグリーンに染まる無構造物質の出現を認めることがあります。 (参考「子宮内膜細胞診の実際」清水恵子著) 本症例では、小型の核をもつ上皮細胞集団が認められ、背景にヘマトキシリンに染まる分泌物様物質を認め、大食細胞が散見されます。細胞のN/C比は高いですが、核は張りが無く平面的で核間に所見の差は無く、配列不整も認められず、増殖症や癌は否定されます。 |